逆数

今回は逆数について説明していきたいと思います。

 

逆数とは、符号はそのままで分母と分子を入れかえた数のことです。

また、もとの数とその逆数の積は1になります。

例えば、\frac{2}{3}の逆数は\frac{3}{2}になります。\frac{2}{3} × \frac{3}{2}=1。

では、整数や小数ならどのように求めれば良いかというと、一旦分数に直してから考えます。例えば、3の逆数を求める場合は、まず3を分数の形\frac{3}{1}に変えます。その後、分母と分子を入れかえます。よって、3の逆数は\frac{1}{3}となります。

次に0.6の逆数を求めていきます。 0.6は分数で表すと\frac{6}{10}です。分母と分子を入れかえると、\frac{10}{6}  となります。ここで、終わりたくなりますが、約分出来る場合は約分までしなければなりません。よって、0.6の逆数は\frac{5}{3}となります。

また、 0の逆数はありません。上で説明したようにもとの数とその逆数をかけると1になるのですが、0は何をかけても0にしかならないからです。

 

問題

(1)次の数の逆数を答えなさい。

 ①\frac{5}{6} 

 ②ー9

 ③0.8

 ④0

 

解答

(1)

 ①分母と分子を入れかえれば良いので、\frac{6}{5}

 

 ②符号は一旦置いておいて、9を分数にすると\frac{9}{1}

  もとの符号はーなので、9の逆数はー\frac{1}{9}

 

 ③0.8を分数で表すと\frac{8}{10}

  逆数は\frac{10}{8}になるが約分して\frac{5}{4}

 

 ④0には逆数がないので、逆数なし。

累乗

今回は累乗について説明していきたいと思います。

 

累乗とは同じ数を繰り返しかけ算すること、またその結果のことをいいます。

また、右上についている小さな数字のことを指数といいます。

例:2 × 2 × 2=2³←この場合、3が指数。読み方は「2の3乗」。

 

ここで、累乗の計算でよくある間違いを挙げます。

①(ー3)²

②ー3²

①と②は似ていますが答えは異なります。①はー3を2乗しているのに対し、②は3を2乗したものにーがかかっています。

つまり、①は(ー3) × (ー3)=9、②はー3 × 3=ー9となります。この2つの違いは確実に押さえておきましょう。

 

問題

(1)次の式を指数を使って表しなさい。

  ①5 × 5 × 5

  ②(ー2) × (ー2) × (ー2) × (ー2)

 

(2)次の計算をしなさい。

  ①3³

  ②(ー9)²

  ③ー7²

  ④(ー1)^9

 

解答

(1)

  ①5を3回かけているので、5³。

 

  ②(ー2)を4回かけているので、(ー2)^4

 

(2)

  ①3³=3 × 3 × 3=27。

 

  ②(ー9)²はー9を2回かけているという意味なので、(ー9)²=(ー9) × (ー9)=81。

 

  ③ー7²は7を2回かけて、それにーをかけているので、ー7²=ー7 × 7=ー49。

 

  ④(ー1)^9はーが9個(奇数)かけられているので、答えの符号はー。

   また、1は何回かけても1である。よって、(ー1)^9=ー1。

3つ以上の数の乗法

今回は3つ以上の数の乗法の説明をしていきたいと思います。

乗法だけの式における法則が2つあるので以下に示します。

 

乗法の交換法則・・・計算の順番を変えてもOK

                例えば、2 × 3も3 × 2も答えは同じになる。

 

乗法の結合法則・・・組みを作って計算することが出来る

                例えば、(2 × 3) × 4 = 2 × (3 × 4)。

                先に2 × 3をしてその後4をかけても、

                先に3 × 4をしてその後2をかけても答えは同じになる。

 

また、2つの数の乗法の時と同様に、答えの符号を先に決めます。

   ・ーが奇数個→答えの符号は

   ・ーが偶数個→答えの符号は

 

(偶数)と(5の倍数)を含む乗法の式では、先に(偶数) × (5の倍数)を計算すると計算が楽になります。計算を楽にすることで、計算ミスを少なくすることができます。

 

問題

(1)(ー2) × (ー4) × (ー6)

(2)(ー25) × 11 × (ー4)

 

解答

(1)ーの数が3個(奇数)なので、答えの数の符号はー。

    よって、(ー2) × (ー4) × (ー6)=ー2 × 4 × 6=ー48。

 

(2)ーの数が2個(偶数)なので、答えの数の符号は+。

    また25は5の倍数で、4は偶数なので先にこの2つを計算する。

    よって、(ー25) × 11 × (ー4)=25 × 11 × 4=25 × 4 × 11=100 × 11=1100。

正負の数の乗法

今回は正負の数の乗法について説明していきたいと思います。

まず乗法とはかけ算のことで、その結果のことをといいます。

 

正負の数の乗法をする時はまずはじめに答えの符号を決めます。

  • ーが奇数個→答えの符号は
  • ーが偶数個→答えの符号は

ある数と0の積は0になります。

 

問題

(1)(+2) × (+5)

(2)(ー3) × (ー9)

(3)(+6) × (ー2)

(4)0 × (ー4)

 

解答

(1)ーの数は0個(偶数)なので、答えの符号は+。よって、(+2) × (+5)=10。

 

(2)ーの数は2個(偶数)なので、答えの符号は+。よって、(ー3) × (ー9)=27。

 

(3)ーの数は1個(奇数)なので、答えの符号はー。よって、(+6) × (ー2)=ー12。

 

(4)0との積は0になるので、0 × (ー4)=0。

 

かっこを省いた加減の式

今回はかっこを省いた加減の式について説明していきたいと思います。
かっこを外す時のルールが3つあるので必ず覚えましょう。


①(   )の前に符号がない場合→そのまま外す。
②(   )の前に+がある場合→そのまま外す。
③(   )の前に-がある場合→ーを外し、(   )の中の全ての数の符号を変える。+なら-に、-なら+に変える。

 

なぜ③のようなことができるかというと、
正の数をひく=負の数をたす
負の数をひく=正の数をたす
という関係が成り立つからです。

 

問題

(1)(+3)+(ー5)

(2)(ー6)ー(ー1)

(3)2ー9

(4)ー6ー7

 

解答

(1)(+3)は前に符号がないのでそのまま+3。+(ー5)は前の符号が+なので

    そのまま外しー5にする。よって、+3ー5=ー2。

 

(2)(ー6)は前に符号がないのでそのままー6。ー(ー1)は前の符号がーなので

    中の符号を変えて+1にする。よって、ー6+1=ー5。

 

(3)違う符号の計算では、絶対値の差に絶対値の大きい数の符号をつければよい。

    よって2ー9=ー(9ー2)=ー7。

 

(4)同じ符号の計算では、絶対値の和に共通の符号をつければよい。

    よって、ー6ー7=ー(6+7)=ー13。

 

正負の数の加減

今回は正負の数の加法、減法について説明していきます。

 

まずは正負の数の加法について説明していきます。

加法とはたし算のことをいい、その結果のことをといいます。

 

正負の数の加法では符号が同じか違うかで分けて考えるとわかりやすくなります。

  • 同じ符号→絶対値の和に、共通の符号をつける。
  • 違う符号→絶対値の差に、絶対値の大きい数の符号をつける。

問題

(1)(+3)+(+5)

(2)(ー6)+(ー2)

(3)(+8)+(ー1)

(4)(ー9)+(+5)

 

(解答)

(1)どちらも符号が+なので絶対値の和に+を付ければ良い。よって+(3+5)=+8。

 

(2)どちらも符号がーなので絶対値の和にーを付ければ良い。よってー(6+2)=ー8。

 

(3)符号が違うので絶対値の大きい数の符号を使う。+8とー1の絶対値はそれぞれ

     8と1なので、符号は絶対値が大きい+8の符号、つまり+を使う。

     絶対値の差に+を付ければ良いので、+(8ー1)=+7。

 

(4)符号が違うので絶対値の大きい数の符号を使う。ー9と+5の絶対値はそれぞれ

     9と5なので、符号は絶対値が大きいー9の符号、つまりーを使う。

     絶対値の差にーを付ければ良いので、ー(9ー5)=ー4。

 

 

次に正負の数の減法について説明していきます。

減法とはひき算のことをいい、その結果のことをといいます。

 

正負の数の減法では、ひき算をたし算に変え、ひく数の符号を変えて計算します。

基本的に以下の2つのルールを覚えておきましょう。

  1. (正の数をひく)=(負の数をたす)
  2. (負の数をひく)=(正の数をたす)

たし算にしてしまえば、先ほどの加法のやり方で計算できます。

 

問題

(1)(+2)ー(+3)

(2)(ー5)ー(ー2)

(3)(+8)ー(ー13)

(4)(ー9)ー(+2)

 

解答

(1)(+2)ー(+3)

    =(+2)+(ー3)

    =ー(3ー2)

    =ー1

 

(2)(ー5)ー(ー2)

    =(ー5)+(+2)

    =ー(5ー2)

    =ー3

 

(3)(+8)ー(ー13)

    =(+8)+(+13)

    =+(8+13)

    =+21

 

(4)(ー9)ー(+2)

    =(ー9)+(ー2)

    =ー(9+2)

    =ー11

 

数直線、絶対値、数の大小

今回は数直線について説明していきます。
 下に数直線を示しています。

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 0より右に意味する数は正の数、0より左に位置する数は負の数であることを意味しています。

 

次に絶対値について説明していきます。絶対値とは0からの距離+か-かは関係ない
)のことを言います。
例えば+2も-2も数直線上において0との距離はともに2です。つまり+2、-2ともに絶対値は2ということになります。

 

最後に数の大小について説明していきます。
0は負の数よりも大きく、正の数は0よりも大きくなります

これを不等号(数の大小を表す記号)を使って表すと
負の数<0<正の数と書けます。
開いている方が大きいことを意味しています。

正の数は絶対値が大きい(つまり数直線上において、より右に行く)ほど大きくなり、負の数は絶対値が大きい(つまり数直線上において、より左に行く)ほど小さくなります。

 

問題
(1)次の数の絶対値を答えなさい。
 ①5
 ②-3

(2)次の二つの数の大小を不等号を使って示しなさい。
 ①-2 , 0
 ②6 , -10
 ③7 , 4
 ④-15 , -5

(3)次の3つの数の大小を不等号を使って示しなさい。
 ①0 , 5 , -8
 ②7 , -10 , -20

解答
(1)
 ①正の数はそれ自体が絶対値となる。よって絶対値は5。

 ②負の数は-を外した数が絶対値となる。よって絶対値は3。

 

(2)
 ①0は負の数よりも大きいので、-2 < 0。

 ②正の数は負の数よりも大きいので、6 > -10。

 ③正の数同士の大小は絶対値が大きいほうが大きくなる。

        7と4の絶対値はそれぞれ7と4。よって7 > 4。

 ④負の数同士の大小は絶対値が大きいほうが小さくなる。

        -15と-5の絶対値はそれぞれ15と5。よって-15 < -5。

 

(3)
 ①負の数<0<正の数。また、三つ以上の数の大小を表すときは左から小さい順に

  並べるので、-8 < 0 < 5。

 

 ②正の数は負の数よりも大きいので7が一番大きい。-10と-20の絶対値はそれぞれ

  10と20。負の数は絶対値が大きいほど小さくなるので-20 < -10。

  よって-20 < -10 < 7。